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ど根性スイレン、または水上の静かな激闘 

公式Facebookページ担当の齋藤です。


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その異変は、西スイレンゾーンのオオオニバスで起きていました。


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オオオニバスの葉の表面を突き破って、熱帯スイレンの花と葉が出ていたのです。


多種多様な水生植物が伸び伸びと育つ当園のスイレン池は、一見平和そのものです。
しかし、熱帯スイレンやオオオニバスのような浮葉植物(水底の根から水面に葉を浮かべて育つ植物)にとって、水面は終わりの無い陣取り合戦の場なのです。どの植物のどの株も、1枚でも多くの葉を水面にひろげようとします。葉が他の株に押しのけられたり覆い隠されたりすると、日光不足で光合成ができなくなり、弱って枯れていく運命が待っています。


オオオニバスの葉は、この“陣取り合戦”に有利なしくみになっています。
その一。葉の裏に鋭い刺が生えています。普段は大型草食魚から身を守る役目があるこの刺は、他の植物の葉に覆いかぶさった時にその葉を引き裂き、再起不能にする役割もあります。
その二。葉の縁が垂直に立っています。この縁のおかげで、他の植物の葉とぶつかると、オオオニバスの葉のほうが上にのし上がることができます。また、同じオオオニバスの葉同士がぶつかった時にうまくお互いに押しのけあい、重なり合って共倒れにならないようにする役割もあります。


これらのしくみのおかげで、


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御覧のとおり、オオオニバスと熱帯スイレンが水上でぶつかると、戦車が軽自動車を踏み潰すかのごとく、オオオニバスが熱帯スイレンを圧倒してしまうのです。


しかし、熱帯スイレンもやられっぱなしではなかったのです。まだオオオニバスに覆わていない葉を使って生き延び、オオオニバスの葉が非常にもろいことにも助けられ、刺をかいくぐって新芽を伸ばし、


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このような状況になりました。ただ葉を突き破って咲くだけでなく、固く巻いている葉を開き始めてさえいます。
こうなるとオオオニバスもたまったもんではありません。このまま熱帯スイレンが次々に新しい葉を出すと、そのたびにオオオニバスのこの葉は破られることになり、いずれボロボロに腐ってしまいます。

お花見の場所取りにたとえて言うと、オオオニバスが熱帯スイレンを押しのけて大の字になって居座ったところ、熱帯スイレンがオオオニバスのおなかの上に七輪を置いて焼き鳥を焼きながら勝手に花見を始め、オオオニバスが身動きが取れなくなっている、といった具合でしょうか。


植物は動物と違って走り回ったり鳴き声をあげたりはしませんが、植物なりのやり方で生き延びる為の工夫をしていますし、そのために他の植物と競い合う場面すらあります。今回ご紹介したこの“ちょっとど根性スイレン”は、そんな植物同士がおりなす静かなドラマの一幕なのです。
皆様も、当園にお越しの折には、園内の植物をじっくり御覧ください。このようなドラマをスタッフよりも先に発見できるかもしれませんよ。

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